- 新患獲得だけでは整体院経営が安定しない理由
- リピート率を上げるための具体的な5つのステップ
- リピート率を正しく追うためのKPI管理の考え方
- 実際の支援事例におけるリピート率の変化
- 5つの施策をコスト・効果発現までの期間で比較した早見表
なぜ新患獲得だけでは院が安定しないのか
集客に力を入れて新患が増えても、「1回来てそれっきり」という患者さんが多いと売上は安定しません。整体院経営において、リピート率は新患獲得と同じかそれ以上に重要な指標です。
一般的に整体院のリピート率(初回来院後に2回以上来院する割合)の業界平均は40〜50%程度と言われています。これを60〜70%以上に引き上げるだけで、新患獲得コストをかけずに売上を大きく伸ばすことができます。
リピート率が低い院に共通しているのは、「施術は良いのに仕組みがない」という状態です。良い施術を提供しているのに、患者さんが次の来院を決める仕組みが整っていないために離脱してしまっています。
特に注意したいのが、リピート率の低下は数字として表れるまでに時間差があることです。今月の新患数だけを見ていると経営は好調に見えても、実は1回きりで離脱する患者さんが増え続けており、半年後・1年後に新患獲得数が頭打ちになった途端に売上が急落する、というケースは決して珍しくありません。日々の予約表を眺めているだけでは気づきにくい問題だからこそ、意識的にリピート率を数値で追いかける仕組みが必要です。
ステップ1:施術中に「次回の必要性」を伝える

リピート率向上の第一歩は、施術中・施術後のコミュニケーションです。
「今日はここが硬くなっていたので〇〇をしました。この状態を維持するには〇週間後にもう一度来ていただくと効果的です」という具体的な説明があるかないかで、患者さんの再来院意向は大きく変わります。
ポイントは「また来てください」ではなく、「なぜ次回が必要なのか」を医学的・身体的根拠とともに伝えることです。患者さん自身が「また来たほうがいい」と納得することが重要です。
ここでよくある失敗が、専門用語だけで説明してしまい、患者さんが内容を理解できていないケースです。「骨盤の傾きが〇度改善しました」のような数値だけでは実感が湧きにくいため、「今日の施術で骨盤の傾きが整いましたが、日常生活の姿勢で元に戻りやすい状態です。そのため〇週間以内にもう一度チェックすることをおすすめしています」のように、生活への影響と結びつけて伝えることが納得感を高めます。
ステップ2:次回予約をその場で取る
施術後に「よかったらまたご予約ください」と言うだけでは、予約率は大幅に下がります。
次回予約をその場で提案する院としない院では、リピート率に20〜30%の差が出るというデータがあります。「次は〇週間後の〇曜日あたりはいかがですか?」と具体的に提案するだけで、患者さんは格段に予約しやすくなります。
予約管理システムを導入している院では、施術後すぐにその場でスマートフォンから次回予約を完了させる運用も効果的です。
次回予約の提案でつまずきやすいのが、「予約を勧めること」に対する院側の心理的な抵抗感です。「押し売りだと思われたくない」という遠慮から提案自体をためらってしまう院も少なくありませんが、次回来院の必要性を医学的根拠とともに伝えたうえでの予約提案は、患者さんにとっても「体を良い状態に保つための提案」として自然に受け取られます。
バディフルの支援事例
バディフルではこれまで500院近くの集客・経営サポートを行ってきた中で、「新患は来るのにリピートしない」という課題を抱える院に対して、以下のようなサポートを実施しています。
支援内容の例:
– 施術後トークスクリプトの作成(次回来院の必要性を伝える言い方)
– 次回予約率を上げる院内フローの設計
– LINE公式アカウントを使ったリマインド・フォローアップ配信の仕組み化
実際の結果:
– 支援開始から3ヶ月でリピート率が43%→67%に改善
– 月間の延べ来院数が増加し、新患獲得コストをかけずに売上が1.4倍に
– スタッフ全員が同じトークができるようになり、院長不在でもリピート率が維持

別の事例では、施術後の会計時に「本日の体の状態」を一言メモに書いて渡す運用を導入した院があります。「今日は右肩の可動域が改善しました。次回は2週間以内がおすすめです」といった手書きメモを渡すことで、患者さんが次回来院の目安を忘れにくくなり、導入から2ヶ月でその場での次回予約率が改善しました。特別なシステムを使わずに始められる工夫として、他院でも応用しやすい方法です。
※院名・個人情報は守秘義務のため非公開としています。詳しくはお問い合わせください。
リピート率を正しく計測するためのKPI設計
感覚だけで「最近リピートが増えた気がする」と判断していては、施策の効果を正確に把握できません。以下の指標を予約管理システムやスプレッドシートで継続的に記録することをおすすめします。
- 初回リピート率:初回来院者のうち、2回目の来院に至った割合。まず追うべき最重要指標です。
- 平均来院間隔:患者1人あたりの来院と来院の間隔日数。短くなっているか長くなっているかで、フォロー施策の効果が見えます。
- 離脱患者数:直近3ヶ月以内に来院がない患者の人数。増加傾向にあれば、休眠患者への再アプローチが必要なサインです。
- LTV(顧客生涯価値):1人の患者が来院を続ける期間全体でどれだけの売上に貢献しているか。リピート率の改善はLTVの向上に直結します。
これらの数値は月次で振り返り、施策を実施した月の前後でどう変化したかを比較することで、次に何を改善すべきかが明確になります。
ステップ3:LINE公式アカウントで来院後フォローをする
来院後のフォローアップは、離脱防止に非常に効果的です。
施術翌日に「昨日はご来院ありがとうございました。本日の体の状態はいかがでしょうか?」とLINEで一言送るだけで、患者さんの満足度と次回来院率が大きく上がります。
さらにLINE公式アカウントでは、来院後1週間・2週間のタイミングで自動配信メッセージを設定することができます。「そろそろ体が気になってきた頃ではないでしょうか」といったメッセージは、来院を迷っている患者さんの背中を押す効果があります。
ステップ4:回数券・コースで来院習慣をつける
単発の都度払いだけでなく、回数券やコースメニューを用意することでリピート率は大幅に向上します。
回数券を購入した患者さんは、購入していない患者さんと比べてリピート率が2倍以上になるというデータがあります。「5回券を購入いただくと1回分お得になります」という提案は、患者さんにとっても来院コストが下がるメリットがあります。
回数券・コース販売でありがちな失敗は、単発の患者さん全員に一律で勧めてしまうことです。初回の施術で信頼関係がまだ十分に築けていない段階で高額な回数券を提案すると、かえって「押し売り」という印象を与えてしまいます。2〜3回目の来院で症状の改善を実感してもらってから提案する方が、成約率・満足度ともに高くなる傾向があります。
ステップ5:定期的な情報発信で院との接点を維持する
来院していない期間も、患者さんとの関係を維持することが重要です。
LINEやInstagramを通じて、セルフケアの方法・季節ごとの体の悩み・院のお知らせなどを定期発信することで、患者さんの「忘れられない存在」になることができます。
「この整体院はいつも役立つ情報を送ってくれる」という印象が積み重なることで、体に違和感を感じたときに「あの院に行こう」と思い出してもらいやすくなります。
来院タイミング(曜日・時間帯)によってフォロー内容を変える
リピート率改善の施策は一律に同じ内容で運用しがちですが、実は来院タイミングによって離脱しやすさが異なることに気づいている院はまだ多くありません。
平日昼間に来院する層は主婦・高齢者・自営業者が中心で、比較的スケジュールに融通が利くため次回予約もその場で決めやすい傾向があります。一方、平日夜間や土日に来院する会社員層は「忙しさ」を理由に次回来院を先延ばしにしやすく、その場で予約を取らないまま帰ると、そのまま来院が途絶えるケースが目立ちます。
ある2院運営の整体院では、平日夜間・土日来院の患者に限定して、来院翌々日に「その後の体調はいかがですか」というLINEフォローを追加したところ、忙しさを理由にした次回来院の先延ばしが以前より減り、担当スタッフの間で「土日層の再来院率が上がった実感がある」という声が出ています。すべての患者に同じフォローをするのではなく、来院タイミングごとに離脱リスクの高い層を見極め、フォローの重点を変えることが、限られた人手でリピート率を底上げする現実的な工夫です。
5つの施策 比較表:コスト・効果が出るまでの期間・優先度
ここまでの5ステップを、着手のしやすさで比較しました。すべてを同時に始める必要はなく、優先度の高いものから着手するのが定着への近道です。
| 施策 | 導入コスト | 効果が出るまでの目安 | 優先度 | 必要なツール |
|---|---|---|---|---|
| 施術中の次回来院トーク | ほぼ0円(トーク設計のみ) | 即日〜1ヶ月 | 最優先 | トークスクリプト |
| その場での次回予約提案 | ほぼ0円 | 即日〜1ヶ月 | 最優先 | 予約管理システム(あれば尚可) |
| LINE公式アカウントでのフォロー | 月数千円〜(配信ツール利用料) | 1〜2ヶ月 | 高 | LINE公式アカウント |
| 回数券・コースメニュー | 設計工数のみ | 2〜3ヶ月 | 中 | 会計・予約システムとの連携 |
| 定期的な情報発信 | 月数千円〜(制作工数) | 3ヶ月以降 | 中 | SNS・LINE配信 |
特に上位2つはツール導入や追加コストが不要なため、明日からでも着手できます。まずはこの2つで土台を作り、効果を実感してからLINE公式アカウントによる自動フォロー、回数券・コース設計へと段階的に進めるのが、現場の負担を抑えながら定着させるコツです。
リピート率改善に関するよくある質問
- Q: リピート率を上げる施策は、どれから着手すればよいですか?
- A: まずはコストがかからず即日始められる「施術中の次回来院トーク」と「その場での次回予約提案」の2つから着手するのがおすすめです。ここでの改善効果を確認してから、LINE公式アカウントによる自動フォローなど仕組み化の施策に進むと無理なく定着します。
- Q: 回数券・コースを導入すると、単価が下がって売上が落ちませんか?
- A: 1回あたりの単価はやや下がりますが、来院頻度が上がることで患者1人あたりの月間売上・年間売上は増加するケースが一般的です。回数券の割引幅は1〜2割程度に抑え、極端な値引きにならないよう設計することがポイントです。
- Q: スタッフによってリピート率にばらつきが出てしまいます。どう改善すべきですか?
- A: 次回来院の伝え方をスタッフの感覚任せにせず、トークスクリプトとして文書化し、全員で共有・練習することが有効です。定期的なロールプレイ研修を行っている院では、スタッフ間のリピート率の差が縮まる傾向にあります。
- Q: リピート率改善の取り組みは、どのくらいの期間で成果が見えますか?
- A: 施術中のトークや次回予約の提案といった即日始められる施策であれば、1〜2ヶ月程度で初回リピート率の変化が見え始めることが多いです。LINE公式アカウントの自動フォローや回数券の定着には、3ヶ月程度の運用期間を見込んでおくと現実的な目標設定ができます。
まとめ
リピート率向上のための5つのステップを振り返ります。
- 施術中に「次回の必要性」を具体的に伝える
- 次回予約をその場で提案・取得する
- LINE公式アカウントで来院後フォローをする
- 回数券・コースメニューで来院習慣をつける
- 定期的な情報発信で院との接点を維持する
新患獲得と並行してこれらの仕組みを整えることで、売上の安定性は大きく変わります。バディフルでは院の状況に合わせたリピート率改善のサポートも行っています。まずはお気軽にご相談ください。