整骨院の予約ページは、あはき法と医療広告ガイドラインの規制対象です。本記事ではNG例とOK例で、違反しない表記の作り方を具体的に解説します。

この記事でわかること

  • 整骨院・接骨院の予約ページがあはき法・柔道整復師法・医療広告ガイドラインの規制対象になる理由
  • 「広告できる事項」の限定列挙と、予約ページで使えるメニュー表記の境界線
  • そのまま使えるNG表記→OK表記の言い換え比較表
  • 公開前に確認すべき予約ページ法令チェックリスト7項目
結論:整骨院の予約ページはあはき法第7条・柔道整復師法第24条の「限定列挙」に従い、効果効能や体験談を排除した表記が必須。違反すると30万円以下の罰金の対象になります。

なぜ整骨院の予約ページが医療広告規制の対象になるのか

「ホームページや予約ページは広告ではないから自由に書ける」——現場を回っていると、いまだにこう考えている院長先生が少なくありません。実際、かつては施術所のWebサイトは「広告」ではなく「情報提供」と位置づけられ、規制がゆるやかでした。

しかし状況は変わっています。2018年6月施行の改正医療法では、医療機関のWebサイトが明確に広告規制の対象に組み込まれました。あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(あはき)や柔道整復(整骨院・接骨院)についても、厚生労働省の検討会で同様の方向に向けた議論が継続しています。

とりわけ予約ページは、料金・メニュー・施術内容を院側が能動的に掲載する「攻めの導線」です。来院を直接促す性質を持つため、サイトの中でもっとも広告性が高いページだと考えてください。だからこそ、ここの表記が崩れていると院全体のリスクに直結します。

あはき法・医療広告ガイドラインが整骨院の予約ページに求める「広告できる事項」

あはき法第7条、そして整骨院・接骨院を規律する柔道整復師法第24条は、いずれも「広告できる事項」を限定列挙しています。これはポジティブリスト方式と呼ばれ、リストに書かれていないことは原則として広告できないという非常に厳しい考え方です。

予約ページに関係する主な広告可能項目は次の通りです。

  • 施術者の氏名・住所
  • 施術所の名称・電話番号・所在の場所
  • 施術日または施術時間
  • 厚生労働大臣が指定する事項(予約に基づく施術の実施、出張施術、駐車設備など)

ここで重要なのは、「予約に基づく施術の実施」は広告できる事項に明記されている点です。つまり「予約制で施術を行っています」という告知そのものは問題ありません。一方で、「肩こりが治る」「坐骨神経痛に効く」といった効果効能や適応症(病名)の列挙、患者の体験談はリストに存在しないため、原則アウトです。違反した場合、あはき法・柔道整復師法ともに30万円以下の罰金が科される可能性があります。

予約ページのNG表記・OK表記【言い換え比較表】

抽象的な説明だけでは現場で迷うので、よくある6カテゴリについてNG表記とOK表記を整理しました。自院の予約ページと突き合わせてみてください。

項目 NG表記の例 OK表記の例
メニュー名 「腰痛改善整体コース」「坐骨神経痛が治る施術」 「全身調整コース(60分)」「骨盤ケアコース」
効果効能 「肩こり・頭痛が解消します」 施術内容・所要時間・料金の事実のみを記載
口コミ・体験談 患者の「3回で痛みが消えた」等の声を掲載 体験談は掲載しない/施術方針の説明に置き換え
ビフォーアフター 姿勢・症状の改善を示す比較写真を掲載 院内・スタッフ・施術風景の写真に変更
誇大・優良誤認 「地域No.1」「最高の技術」「医療レベル」 開業年数・施術メニューなど客観的事実を記載
予約の告知 「予約に基づく施術を行っています」(広告可項目)

ポイントは、メニュー名から「治る・改善・効く」という効果を連想させる言葉を外し、「何を・何分・いくらで提供するか」という事実だけにそぎ落とすことです。これだけで予約ページの法的リスクは大きく下がります。

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公開前に確認すべき予約ページ法令チェックリスト7項目

予約ページを公開・更新する前に、次の7項目を上から順に点検してください。1つでも該当したら表記を修正します。

  1. メニュー名に「治る」「改善」「効く」など効果効能を示す語が入っていないか
  2. 適応症(坐骨神経痛・ヘルニア等の病名)を施術対象として列挙していないか
  3. 患者の体験談・口コミ・「お客様の声」を院のページに掲載していないか
  4. 症状の改善を示すビフォーアフターの比較写真を使っていないか
  5. 「No.1」「最高」「医療」など誇大・優良誤認を招く表現がないか
  6. 料金やキャンペーン表示が「今だけ安い」と過度に煽る誤認につながっていないか
  7. 予約受付・施術日時・所在地など、広告できる事項の記載に誤りがないか

このチェックリストは、新規メニューを追加するたびに使い回せるよう、予約ページの管理マニュアルに綴じ込んでおくことをおすすめします。担当者が変わっても表記がブレなくなります。

バディフルの支援事例

バディフルではこれまで500院近くの整体院・治療院の集客・経営をサポートしてきた中で、予約ページの表記が法令の線引きを越えているケースに数多く出会ってきました。とくに目立つのが、メニュー名に病名や「改善」という言葉をそのまま使っているパターンです。

近畿のある接骨院では、予約ページのコース名に「坐骨神経痛改善コース」「ヘルニア専門施術」といった表記が並んでいました。あはき法・柔道整復師法の限定列挙に照らすとリスクが高い状態です。私たちはメニュー名を施術内容と所要時間ベースの表記に整理し、体験談ブロックを施術方針の説明へ差し替えました。表記を見直した近隣3院では、3院とも法令面の指摘リスクを解消しつつ、1院では予約導線を整理した結果、見直し後2ヶ月で新規予約が約18件増加しています。

もう一つ、この半年で複数見てきたのが、複数のLINE公式アカウントが混在して集客動線が分散しているケースです。新旧2つ、ときには3つのアカウントが並走し、古いほうの自動応答メッセージや予約リンクに「○○が治る」といった昔の効果効能の文言がそのまま残っている、という状態が珍しくありません。表のサイトをいくら整えても、裏で生きている古い導線が法令リスクを抱えたままになっているのです。予約ページの表記を点検するときは、LINEや旧ページも含めた「すべての予約入口」を棚卸しすることが欠かせません。

よくある質問(FAQ)

Q: 予約ページに「肩こりが治る」と書いてはいけませんか?
A: あはき法・柔道整復師法は広告できる事項を限定列挙しており、効果効能はその対象外です。「治る」等の標榜は違反となり30万円以下の罰金対象になり得ます。施術内容・時間・料金の事実記載にとどめましょう。
Q: 患者さんの口コミや体験談は予約ページに載せられますか?
A: 体験談は広告できる事項に含まれず、誇大広告とみなされるリスクが高いため掲載は避けるべきです。Googleの口コミなど第三者媒体への自然な投稿と、院が能動的に載せる広告は区別して考えましょう。
Q: 整骨院のWebサイトも本当に広告規制の対象なのですか?
A: 2018年6月施行の改正医療法で医療機関サイトが規制対象に明確化され、あはき・柔整も厚労省の検討会で同様の方向で議論中です。料金やメニューを能動的に示す予約ページは、特に広告性が高いと判断されます。
Q: 料金やキャンペーン割引は予約ページに表示してよいですか?
A: 料金の記載自体は可能ですが、「今だけ」など申込みを過度に煽る表現や、通常価格を偽る二重価格は優良誤認につながります。事実に基づく明瞭な料金表示にとどめるのが安全です。
Q: 違反するとどんな罰則がありますか?
A: あはき法第7条・柔道整復師法第24条の広告制限に違反すると、いずれも30万円以下の罰金が科される可能性があります。行政指導の対象にもなり、院の信用低下にも直結するため事前の点検が重要です。

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