整骨院の交通事故患者の通院管理|自賠責対応で通院を途切れさせない予約運用
この記事の目次(7項目)
整骨院の交通事故患者の通院管理では、自賠責の手続きと予約運用をあわせて設計することが欠かせません。通院の間隔が空くと、治療が必要かどうかを疑われやすくなります。
- 自賠責の慰謝料4,300円/日と「実通院日数×2」の計算ルールが通院管理に関わる理由
- 交通事故患者の通院が途切れる3つの原因と、院側で防げるポイント
- 紙台帳・汎用カレンダー・整体院向け予約システムの管理方法の比較
- 通院を途切れさせない予約運用の6手順と、保険会社対応で記録しておく項目
交通事故患者の通院管理が自賠責対応で重要な理由
警察庁の統計では、2024年(令和6年)の交通事故の発生件数は約29万件、負傷者数は約34万人でした。むち打ちや腰の痛みで整骨院・接骨院に通う人は多く、多くの院にとって交通事故の患者さんは身近な存在です。一方で、自賠責保険の手続きは保険会社とのやり取りや書類の提出が多く、通院管理が受付スタッフ任せになりやすい分野でもあります。
整骨院 交通事故 通院管理で自賠責が見る3つのポイント
国土交通省の自賠責保険ポータルサイトで公開されている支払基準によると、傷害による損害の支払限度額は被害者1名につき120万円です。治療費・施術費、休業損害(原則1日6,100円)、慰謝料(1日4,300円)は、この枠の中から支払われます。通院管理で特に重要なのは、慰謝料の対象日数の数え方です。
- 治療期間:初めて通院した日から治療が終わった日までの日数
- 実通院日数×2:実際に通院した日数を2倍した日数
- 少ないほうを採用:上の2つのうち、日数が少ないほうに4,300円を掛けて計算する
たとえば治療期間が90日で実際に30日通院した場合、対象日数は60日となり、慰謝料は258,000円です。同じ90日でも実通院が20日なら対象日数は40日、慰謝料は172,000円に下がります。通院が途切れると患者さんが受け取れる補償に影響するうえ、保険会社から「治療はもう不要では」と判断され、施術費の支払いが打ち切られるきっかけにもなります。院の売上だけでなく、患者さんを守るためにも、通院の記録を正確に残すことが大切です。
交通事故患者の通院が途切れる3つの原因
支援先の院で通院が途切れた交通事故患者の経緯を振り返ると、原因はおおむね次の3つに分けられます。
1. 次回予約を決めずに帰している
「痛みが出たらまた来ます」で帰すと、仕事や家事が忙しくなったときに通院の優先度が下がります。交通事故の患者さんは、それまで通院習慣がなかった人も多いため、次回の予約を取らないまま帰すと来院が途切れやすくなります。
2. 来院が途絶えても誰も気づかない
紙の台帳や汎用カレンダーでは「最後に来た日から何日空いているか」が一覧で見えません。気づいたときには3週間空いていて、保険会社から通院状況を問い合わせられて初めて分かる、というケースは珍しくありません。
3. 整形外科との併院で日程が合わない
保険会社から整形外科の受診を求められることは多く、診察日と整骨院の予約が重なって来院できなくなることがあります。病院の受診予定を聞き取らないまま予約を入れると、キャンセルや無断キャンセルが続きやすくなります。
交通事故患者の管理方法を比較|紙台帳・汎用カレンダー・予約システム
交通事故の患者さんが月に5名を超えると、手作業での管理は難しくなります。主な管理方法を比べると次のとおりです。
| 比較項目 | 紙台帳・エクセル | 汎用カレンダー | 整体院向け予約システム |
|---|---|---|---|
| 自賠責患者の区別 | 手書きの印で区別 | 予定名に入力して区別 | 顧客タグで一覧表示 |
| 最終来院からの経過日数 | 毎回数える必要あり | 確認しにくい | 顧客ごとに自動で表示 |
| リマインド送信 | 電話で手動 | 手動、または一部のみ | LINE・メールで自動送信 |
| 月ごとの通院日の抽出 | 台帳から書き写す | 目視で拾い出す | 期間とタグで絞り込んで出力 |
| 閲覧できる人の制限 | 保管場所次第 | 共有設定に依存 | スタッフ別の権限を設定可能 |
施術証明書や施術費明細書は月ごとに出すことが多いため、「その月に自賠責の患者さんが何日来院したか」をすぐに取り出せるかどうかで、月末の事務作業の量が大きく変わります。
通院を途切れさせない予約運用の6手順
次の6つの手順を、院内のルールとして決めておくと、担当者が変わっても同じ管理ができます。
- 初診時に自賠責の情報を登録する:事故日、保険会社と担当者名、併院している医療機関を聞き取り、予約システムの顧客情報に「自賠責」タグを付けます。
- 施術計画と通院頻度を説明する:「最初の2週間は週3回」など、目安の頻度を口頭と書面で伝え、患者さんの同意を得ます。
- 帰る前に次回予約を必ず確定する:会計時に次の1〜2回分の予約を入れることを受付の必須作業にします。
- 病院の受診日を予約表に入れる:整形外科の診察日を聞き取ってメモに残し、予約が重ならないように調整します。
- 前日リマインドと未来院アラートを設定する:前日に自動リマインドを送り、最終来院から7日空いたら受付から連絡、14日空いたら院長が確認する、という基準を決めます。
- 月末に予約履歴と施術録を照合する:自賠責タグで通院日を取り出し、施術録の日付と一致しているか確かめてから書類を作ります。
保険会社とのやり取りで記録しておく項目
通院状況や施術内容について保険会社から問い合わせがあったとき、すぐに答えられるよう、次の項目を記録しておきます。
- 保険会社の担当者名、連絡日、話した内容(施術期間の見込みなど)
- 来院日ごとの症状と施術内容(施術録との一致)
- キャンセル・無断キャンセルの日付と理由
- 併院している医療機関名と受診日
- 患者さんへの通院頻度の説明日と、説明した内容
事故の詳しい内容や症状は個人情報にあたるため、予約システムには区別用のタグと最低限のメモだけを入れ、詳しい内容は施術録に残すなど、情報を置く場所を分けると安全です。
バディフルの支援事例
バディフルではこれまで500院以上の整体院・治療院の集客・経営をサポートしてきた中で、交通事故の患者さんの管理に悩む整骨院からの相談も多く受けてきました。ここでは、施術者4名の整骨院(交通事故の患者さんは常時15〜20名)を支援した例を紹介します。
この院では、紙の台帳と汎用カレンダーを併用していたうえ、院の公式LINEとは別に、院長が以前作ったLINE公式アカウントも動いていました。患者さんによって連絡が届くアカウントが違い、リマインドが届いていない人もいました。複数のLINE公式アカウントが混在して集客や連絡の動線が分かれてしまうケースは、この半年で複数の院で見てきています。
そこで、LINEを1つのアカウントにまとめて予約システムと連携し、自賠責タグ、会計時の次回予約の必須化、7日未来院アラートを導入しました。その結果、3ヶ月で最終来院から14日以上空いた交通事故患者の割合は32%から11%に下がり、保険会社からの通院状況の問い合わせは月8件ほどから2件ほどに減りました。月末の書類作成にかかる時間も、約6時間から約2時間に短くなっています。
よくある質問(FAQ)
- Q: 交通事故の患者さんには毎日通院してもらうべきですか?
- A: 通院日数は症状と施術計画で決めるもので、多いほどよいわけではありません。自賠責の慰謝料は治療期間と実通院日数×2の少ないほうで計算されるため、必要な頻度を施術計画として説明し、記録に残すことが大切です。
- Q: 通院が何日空くと問題になりますか?
- A: 法律で日数が決まっているわけではありませんが、一般に1ヶ月近く空くと、保険会社から治療終了と判断されやすくなります。院内で「7日空いたら連絡、14日で院長が確認」のように基準を決めておくと安心です。
- Q: 予約システムに交通事故患者の情報を入れても大丈夫ですか?
- A: 事故日や保険会社名は個人情報なので、閲覧できるスタッフを絞れる予約システムを選びましょう。顧客タグで「自賠責」と区別し、詳しい事故の情報は施術録に残すといった分け方が安全です。
- Q: 保険会社に出す書類の通院日はどう管理すればいいですか?
- A: 月ごとに出すことが多いので、月末に予約データから自賠責タグの患者さんの通院日を取り出し、施術録と照らし合わせてから作ります。予約履歴と施術録の日付がずれていると、問い合わせの原因になります。
関連コラム
- 改装・休業期間の予約受付を一時停止・再開する設定ガイド|整体院が患者離れを防ぐ7ステップ
- 予約システムのウェブ埋め込みカスタマイズ|ブランドに合わせる方法
- 予約システムは月額固定と従量課金どちらが得か|損益分岐点を月間予約件数で計算する方法
バディフルの予約システムの詳細・無料デモのご依頼はこちらのページからどうぞ。

2回目からの予約は、自院のLINEで。
LINE・Webの予約を24時間受付、前日に自動リマインド。500院以上が利用中。